能登半島を襲った大雨はなぜ発生したのか⁉ 『積乱雲』が発生する仕組みを紹介

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こんにちは!やっすんです!

2024年9月21日、石川県能登半島を大雨が襲い、洪水・浸水といった大きな被害が出ました。近々台風14号が中国方面から急カーブを見せ、日本列島に急接近してきています。その影響もあり、大気が不安定となり、積乱雲が発生、今回の大雨に至ったということです。

能登半島地震の被災地を襲った大雨は、石川県付近に停滞した秋雨前線に、南から流れこんだ暖かく湿った空気がぶつかり、積乱雲が次々と発生したことでもたらされた。

能登襲った大雨のメカニズム 北風と湿った空気ぶつかり積乱雲が次々(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

では、なぜ積乱雲という雲が発生して、大雨になるのでしょうか。私も「冷たい風と暖かい風がぶつかって雲ができるんじゃないかな〜」と曖昧な知識でしたので、調べてみました!

ということで今回は、積乱雲のでき方について触れていきます!

積乱雲の形成の条件

積乱雲が発生するためには、以下の3つの主な条件が必要です。

  • 不安定な大気層: 大気の下層が上層よりも温かくなると、空気は不安定になります。この状態では、暖かい空気が冷たい空気の上に乗ろうとするため、上昇気流が発生しやすくなります。
  • 上昇気流: 暖かく湿った空気が上昇すると、気圧が低下するため空気は膨張し、その結果温度が下がります。この冷却過程によって水蒸気が凝結し、雲が形成されます。これが積乱雲の種となる部分です。
  • 水蒸気の供給: 積乱雲が大きく発達するためには、上昇する空気に大量の水蒸気が含まれていることが重要です。水蒸気は凝結する際に潜熱を放出し、これがさらに空気を温めて上昇気流を強める要因となります。

これらの条件が揃うと、積乱雲の形成が始まります。一般的には、地表が太陽によって十分に温められることで、下層の空気が暖まり、上昇するためのエネルギーが蓄積されます。特に、海岸線や湿潤な地域では、水蒸気が豊富に供給されるため、積乱雲が発生しやすくなります。

積乱雲の発達段階

積乱雲の発達には、主に3つの段階があります。

発達期(キュムラス期)

この段階では、暖かく湿った空気が強い上昇気流によって上空に持ち上げられます。空気が上昇するにつれて冷却され、水蒸気が凝結し小さな雲粒が形成されます。この過程では、主に上昇気流が優勢で、まだ雨は降りません。

成熟期

上昇気流がピークに達すると、積乱雲は鉛直方向に大きく発達し、高さ10~20 kmにまで達することがあります。この時期に、凝結した水滴や氷粒が十分に大きくなり、重力に逆らえずに降下し始めます。これが降水となり、大雨を引き起こします。さらに、雲の内部で発生する摩擦や温度差により雷や稲妻が発生しやすくなります。この段階では、上昇気流と下降気流の両方が存在し、雲が最も活発な状態です。

衰退期

降水によって下降気流が支配的になると、上昇気流が弱まり、積乱雲の発達は終息に向かいます。雨が降り続くことで雲が縮小し、最終的には消散します。

大雨を引き起こすメカニズム

積乱雲は、その巨大な構造と内部での活発な気流により、大量の降水を短時間で降らせることができます。大雨の主な原因となる要素には以下のものがあります。

  • 上昇気流の強さ: 積乱雲内では非常に強力な上昇気流が発生します。これにより、雲の中に多量の水蒸気が供給され、凝結によって雨粒や氷粒が生成されます。上昇気流が強ければ強いほど、雲の中に滞留する水分量も多くなり、雨が降り出すときに大量の降水となって地表に降り注ぎます。
  • 降水効率: 積乱雲内で生成された水滴や氷粒が十分に成長すると、重力に逆らえずに落下し始めます。この降水過程で、周囲の空気中の水蒸気をさらに取り込むことによって雨粒はさらに大きくなり、効率的に降水が進みます。このため、短時間で大量の雨が降ることが可能です。
  • 対流圏界面の役割: 積乱雲が対流圏の上端(対流圏界面)に達すると、上昇気流が抑制され、横方向に広がる形で雲が発達します。この過程で、雲全体の広がりが大きくなるため、広範囲にわたって雨を降らせる可能性が高まります。

積乱雲が引き起こすその他の現象

積乱雲は大雨だけでなく、他の極端な気象現象も引き起こします。

  • : 雲内の水滴や氷粒が上下に移動する過程で、静電気が発生し、これがやがて放電現象として雷となります。雷は積乱雲の典型的な特徴であり、特に激しい降雨を伴う雷雨(らいう)がよく発生します。
  • 突風やダウンバースト: 降水とともに急速に下降する冷たい空気が地表に到達すると、水平に広がり突風を引き起こすことがあります。これをダウンバーストと呼び、局地的に非常に強い風を伴います。突風は建物や樹木に甚大な被害を与えることがあります。
  • 竜巻: 積乱雲の中で強い上昇気流と下降気流が交互に発生することで、回転する気流が形成され、これが地表に到達すると竜巻になります。竜巻は非常に局地的ですが、強力な破壊力を持っています。

まとめ

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いかがだったでしょうか!積乱雲が発生し大雨をもたらすプロセスは、大気中の不安定な状況に基づく複雑なメカニズムに支えられています。

温かく湿った空気が上昇し、冷却されて凝結することで雲が形成され、強力な上昇気流が水蒸気を大量に運び込むことで、短時間で激しい降雨が発生します。このような大気の動きは、雷や竜巻などの極端な気象現象も引き起こし、人々の生活に大きな影響を与えます。

気象予報技術の進展により、積乱雲による災害の予測精度は向上していますが、自然の力を完全に制御することは難しく、常に注意が必要な領域だそうです!

皆さんも台風が接近してきた際はぜひ他人事とは思わずに、事前の対策をしっかり行っていきましょう!

それでは今回はこの辺で!また次の記事でお会いしましょう!

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